9月議会の文教厚生委員会で行った質疑を掲載します。
委員会の中では、内藤市長から提案された予算に関する質疑、その他文教厚生委員会に関係する質問がいくつでもできます。
――――――――――以下、文教厚生委員会質疑(一部省略)――――――――――
【予算議案に関連した質問】
〇トイレ洋式化スピードアップ事業費
加戸:幼稚園・小学校・中学校のトイレの洋式化をスピードアップし、児童生徒・園児が快適に学ぶことができる教育環境を整えるための事業費ということで歓迎したいと思います。
現状の調査状況と、どういったトイレから優先的に改修が行われていくのか教えて下さい。あと、債務負担行為によって令和8年度末に小学校90%、中学校90%、幼稚園100%に届くという計画だと思いますが、この債務負担行為がいくら見込まれているのか教えて下さい。
教育総務課長:債務負担行為の金額については検討中です。調査に関しては一通り終わったところです。優先度についてはできるだけ不具合のあるところから、古いところからということになろうかと思います。
加戸:臭い・汚い・暗いトイレで学校のトイレに行けないという子どもたちの悲鳴から今回の事業費に繋がったと認識しています。ぜひこうしたトイレから優先的に改修を行っていただくこと、完了が令和8年と令和12年からかなりスピードアップしていると思いますので、ぜひ計画通り進めていただけるよう要望しておきます。
〇教育・保育給付費負担金・保育所運営費負担金
加戸:今までですと、上のお子さんが小学校に上がると第2子半額補助が受けられませんでしたが、今回の予算により第2子であれば誰でも保育料が半額となるということで歓迎したいと思います。
対象者の方は階層による区分はあるのかお答え下さい。
また、制度を今後更に前に進めていただきたいと思いますが、第2子保育料完全無償化について、あといくら予算が必要なのか、実施に向けた検討は行われているのかお答え下さい。
子ども保育課長:全ての第2子に対して保育料が半額という形になります。他都市の状況を見ますと第2子完全無償化というところもございますし、徳島市としても今後検討していく必要があるのかなと考えております。
子ども未来部長:(第2子完全無償化予算について)手元にございませんので、後ほどご連絡させていただきたいと思います。
加戸:(ぜひ金額を出し)第2子保育料完全無償化実施に向けた前向きなご検討よろしくお願い致します。
〇学校給食費支援事業補助
加戸:緊急的に価格高騰分を補助し、これまで通り安定的な学校給食を提供するための予算ということで歓迎したいと思います。この2433万3千円は給食1食あたりにするといくら分なのかお答え下さい。また現在、国基準のカロリー・栄養素を満たした学校給食に向け、献立作りにおいてどのような工夫が行われているのか、また国基準となるため、いつ頃改善される見込みなのかお答え下さい。
体育保健給食課長:今回の補正予算額は小学校1食あたり10円程度、中学校1食あたり12円程度を考えています。
教育次長:栄養素を満たすための献立における工夫でございますが、やはり鉄とかカルシウムとか栄養素が不足しております。強化食品・乳製品・チーズ・ひじき・大豆あたりを盛り込んだ給食メニューを協議研究しております。改善の時期は10月の献立からある程度満たせるよう頑張りたいと思っております。
加戸:10月の献立はもう作成されていると思います。実際に(国基準の栄養素が)満たされているのか教えて下さい。
教育次長:まだ100を満たせる状態ではないので、満たせるよう11月以降研究を重ねたいと思います。
加戸:具体的には何の栄養素が足りていないのですか。
教育次長:小学校におきましては鉄のみです。中学校ではカルシウム・鉄・マグネシウム・ビタミンA・食物繊維・ここいらが少しずつ満たせていないという状況です。
加戸:今回の予算は給食1食あたりにすると小学生で10円、中学生で12円の財政措置です。本会議でも要望させていただきましたが、学校給食のカロリー・栄養素とも国基準を満たすためには財政措置が必要だと思います。ぜひ更なる財政措置も含め、ご対応をよろしくお願い致します。また後ほど国へ学校給食無償化を求める意見書を紹介させていただきますが、学校給食費無償化を国の制度とするためにも自治体での実施をぜひ前向きにご検討いただけるようお願い致します。
〇介護保険事業特別会計補正予算
加戸:財政調整基金積立金が9億1695万円増えている理由、今後も同じように積立金が増えるのか、見立てと根拠を教えて下さい。
高齢介護課長:大きな要因としてコロナ禍におきまして、通所介護やショートステイなど他人との接触を避ける傾向が近年あり、その継続で積立金が増えたものと考えております。
加戸:コロナ禍で苦しい中、納めておられる介護保険料です。積立金に使用するのではなく、集めた方のところに還元する必要があると思いますがいかがでしょうか。
高齢介護課長:徳島市介護保険事業財政調整基金条例に基づき運用してまいります。
加戸:介護保険の利用料が高すぎて利用できない、介護保険料が高すぎて払い続けるのが大変だという声を聞いております。徳島市独自の介護保険利用料の減免制度や免除制度を作っていこうという動きはあるのでしょうか?
高齢介護課長:所得に応じて12段階に決まっており、それに加えて所得状況の厳しい方につきましては徳島市において減免する制度がございます。
加戸:ぜひ制度の拡充を要望しておきます。
――――――――全ての予算案について満場一致でした。――――――――
【学校給食費無償化を国に求める請願】
「国の負担で学校給食費無償化の早期実現を求める意見書」の採択を求める請願書について、採択でお願いしたいと思います。
憲法26条で、教育基本法は第4条で、学校教育法は第6条でそれぞれ義務教育の無償を定めています。しかし、実際には教材費、体操着、学用品、給食費、修学旅行積立金など保護者が負担しており、中でも学校給食費の負担が一番重くなっています。
全国の自治体で学校給食費無償化が広がっており、徳島県内でも三好市と神山町が全額無料化を行っています。鳴門市や北島町、板野町、勝浦町、海陽町が自主財源で半額、一部補助を実施しており、臨時交付金を活用した保護者負担軽減措置も4市町で実施されています。
徳島市でも短期間で4000名近い方から署名が集まるなど、学校給食費無償化への強いご要望が寄せられていますが、年間12億5千万円かかることを理由に、今のところ実施に向けての動きは見られません。
本意見書は、子育て世帯の経済的負担を軽減し、学校教育の柱の一つでもある食育推進の効果も大きい給食費無償化への支援を、国の政策として行うことを求めるものであり、地域間格差が生じることのないように、学校給食費の全国一律無償化の実現を国会および政府に強く要請するものです。
したがって、本請願については採択でお願い致します。
―――――賛成は小野議員と私のみで残念ながら不採択でした。―――――
【その他質問】
〇学校給食費徴収の公会計化の進捗状況
加戸:9月5日に学校給食無償化ネットワークの方々が体育保健給食課と懇談を行い、学校給食費の公会計化を求める切実な声が寄せられました。教員の多忙化が問題視されている中で、教員の皆さんは夜中や土日に学校給食費会計を行い、時には授業を自習にして数円を届けるために奔走されているそうです。文部科学省からも公会計化を求める通達が出されており、具体的なスケジュールなどを記した学校給食費徴収・管理に関わるガイドラインがHPに記載されています。このガイドラインに沿った公会計化の検討がなされているのでしょうか。現在の進捗状況と、いつまでに行うのかの目標があればその目標を、また、公会計化にかかる予算をお答え下さい。
答え:藤田議員も質問されていましたが、現在検討している、正式な数字は出していないとのことでした。
〇学校司書配置
加戸:徳島市の司書配置の状況についてお伺いします。
司書配置について図書館運営の専門家の方から「全国の県庁所在地で学校図書館司書の配置を行っていないのは徳島市ぐらいでないか。」とのご指摘がありましたが、調査をされているでしょうか。また、徳島市としてどのような司書配置の状況を目指しているのか、現在の徳島市の状況はどうなっているのかお答え下さい。
答え:全国的な調査は行っておりません。現在、配置は行っていないので、他都市の状況も見ながら検討を続けたい。
加戸:大学などでボランティアを募り、希望校に配置しているとのことですが、令和5年の司書ボランティアを希望された校数とボランティアの配置状況、をお答え下さい。また司書ボランティアの活動内容とどのような実績があるのかお答え下さい。
答え:希望は10校で配置は3校で、週1回程度来ていただいている状況です。
加戸:希望校に全校配置が難しい状況であると思います。第6次「学校図書館図書整備等5か年計画」の中で、学校図書標準の達成、計画的な図書の更新、新聞の複数紙配備、学校司書の配置拡充が図られることを目的として、6月議会で文部科学省から5000万円がおりてきていること、またその予算が司書配置に活用されていないことが明らかになりました。
5か年計画の中で、学校司書の適正な配置について「その専門性が一層発揮できるよう、学校司書が継続的・安定的に職務に従事できる環境へ配慮の上、司書教諭の授業負担の軽減と合わせて学校図書館の人的整備の拡充を図られたいこと。また、特別支援学校については、読書バリアフリー法の成立などを踏まえ、その配置の拡充に努められたいこと」とあります。県立高校では、学校司書の資格を持つ方を事務職員として徳島県が正規雇用し、100%の司書配置を実現されています。ぜひこうした取り組みを参考に、国からの補助金も活用しながら、徳島市でも100%の司書配置を目指していただきたいと思いますが、教育長いかがですか。
答え:希望校の残り7校についてはスクールヘルパー等の配置も考え希望に沿える形を取っていきます。状況により財政も関係課と相談を行います。
〇特別教室へのエアコン設置
今年の夏は平均気温が統計開始以来最高となるなど、大変な猛暑でした。徳島市内の小学校の特別教室に冷房がなく、子どもたちが暑い体育館の中で体を動かしたり、家庭科室で調理を行ったりしているので、冷房を設置してほしいとの声が寄せられています。徳島市の特別教室のエアコン設置率をお答え下さい。
答え:小・中学校におきまして図書室・音楽室以外は今のところ設置しておりません。
加戸:特別教室の中でも、体育館は地域の避難所としての機能も兼ね備えており、空調整備が特に必要だと考えています。徳島県では緊急防災減債事業債や地方創生臨時交付金を活用した体育館へのエアコン設置がモデル校3校で実施されており、9月議会には県立学校施設防災機能強化事業費として体育館の空調整備費など2億3600万円が計上されたと報道されています。
徳島市でも国の補助金なども活用し、体育館含む特別教室のエアコン設置を検討していただきたいと思いますがいかがですか。
答え:現時点では具体的な計画や検討には至っておりません。重要な観点だと考えていますが、断熱の工事も必要になる場合もあるため、調査研究をしてまいりたい。
〇低所得高齢者への熱中症対策
加戸:8月10日に徳島市生活と健康を守る会より、低所得高齢者の熱中症対策についての要望書が提出され、①エアコンの購入費・設置費を市独自の助成を行ってください②エアコンを安心して使用できるように、電気代を助成してください➂エアコンクリーニング費用の助成を行ってくださいとの要望が出されました。
少なくなくない低所得者は、経済的理由からエアコンの購入や買い替えができず、電気代の心配や、電気代が支払いできない状況から、エアコン使用できない環境下にあり、命の危険と隣り合わせで生活することを余儀なくされています。異常な猛暑の中、エアコンの設置や使用がままならず命を落とすことなどあってはならないことです。
この申し入れに対する徳島市の見解をお聞かせ下さい。
答え:個人給付を目的とした補助制度の新設については難しいと考えている。
〇生理の貧困
加戸:生理の貧困が全国的な課題となり、徳島市では企業様からご支援いただいて設置が実現しています。ぜひこの取り組みが続くよう、支援の継続を要望するとともに支援状況が変わっても徳島市の事業として継続してほしいとの声をいただいていますが現在の状況と今後の展望についてお答え下さい。また生理用品の設置場所ですが、「保健室や職員室に取りに行くのは恥ずかしい。トイレに設置してほしい。」との要望がありますので、こうした要望があることを各学校にお伝えいただき、生徒の希望に沿った運営にしていただきたいと思いますがいかがですか。
答え:現在のところは希望があれば継続していただけるようになっています。設置については学校とも相談し、検討していきます。
〇待機児童問題
加戸:待機児童についてお伺いします。内藤市長は待機児童ゼロを今年も達成したと市長説明の中で成果を強調されましたが、市民の方からは「ゼロは違う。待機している人が実際にいる。」との声が複数寄せられています。
現在の待機児童数、入所保留数、定員超過数をそれぞれお答え下さい。
答え:令和5年4月1日現在で待機児童は0、入所保留は202人、定員超過は172人となっております。
加戸:令和5年4月時点で待機児童0名、入所保留数202名、定員超過数172名とのことで、「ゼロは違う。待機している人が実際にいる。」というお声はこの入所保留202名から上がっているのではないかなと思います。待機児童とともに入所保留の方の対策をしっかり取る必要があると思いますし、密を避けようと言われている中において定員超過についてもしっかり解消に向けた対策を取る必要があると思いますがいかがですか。
答え:保育士の確保や、保護者の申し込み希望数を増やしていただくことで解消の取り組みを実施していきたいと考えております。
加戸:保育士さんの確保も大切ですが、場合によっては施設整備が必要なのかもしれません。保護者の方の努力に任せるのではなくて、行政がしっかりと対策を取ってこの入所保留数、定員超過数を解消していく必要があると思いますので、今後更に聞いていきたいと思います。
――――――――――以上、文教厚生委員会―――――――――――
文教厚生委員会ではこうした日々の暮らしに直結することが話し合われています。皆さんのご要望を伺いながら、今後も質問していきたいと思います!
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