12月議会の文教厚生委員会が昨年12月16日に開催されました。補正予算は全会一致で可決。
ゴミ処理施設建設予定地のマリンピア沖洲の災害リスク検証結果が示され、費用や方針、広域の検討状況、説明会の実施など質問しましたので、私の質疑を中心にご報告させていただきます。

――――――――――――――以下、質疑より―――――――――――――――
加戸:令和5年9月に策定された徳島市一般廃棄物中間処理施設整備基本計画改定版では約438億円の施設整備費見込み額が示されており、徳島市の実質負担額は約191億円、造成等の関連工事を含めた事業費は約456億円であり、徳島市の実質負担額は約209億円となる見込みと示されています。
令和4年5月に沖洲地区で行われた説明会資料の中で、新候補地のマリンピア沖洲としたことへの事業費への利点が3点掲載されています。
1点目は新候補地ではアクセス道整備費(橋梁整備や進入路整備に係るもの等)が不要になる。
2点目は土地のかさ上げや施設の耐震、液状化対策としてくい打ちなどの費用が必要になるが、土砂災害防止のための大規模な造成工事の必要はない。
3点目は飯谷で課題とされていた用水の確保、排水対策に問題がないことは費用面で有利な材料であるとのとこです。
報告では『対策は不可能とまではいえない』との記載があります。いくらでも費用をかけて良いのであれば、マリンピア沖洲に限らず耐震・液状化対策は可能かと思いますが、先ほどの3点は、飯谷での整備と比較して、費用面で有利である印象を与えます。もし、飯谷よりもコストを抑えることができなければ説明会の内容は誤りであり訂正が必要です。
今回示された災害リスクに対しての対策は基本計画で示された事業費見込み額の範囲内で対応できるのかどうかお答え下さい。
環境施設整備室長:今回の災害リスク検証結果に基づき基本計画に反映させていくこととなるが、当初から予定していた盛り土の実施や基礎杭の打設などの内容に大きな変更はないとかんがえられるため、事業費についても現在の基本計画の内容を踏襲できるものと考えております。
加戸:今回の災害リスク検証は誰に依頼したのでしょうか。
環境施設整備室長:津波のシュミレーションについては徳島大学教授に依頼しました。また、地盤沈下と地盤変位については数値の算出に当たっては地質調査を行った会社が地質データを保有しているので、その会社に解析を依頼しております。また現在、解析結果についての検証を改めて別の専門家に依頼しているところです。
加戸:今後の進め方の部分で、有識者による評価を踏まえて徳島市の方針を決定するとありますが、専門家による「壊滅的な被害を避けることが可能だ」とした結論が検証の中で出ていますが、その上で何を検証しているのか。今回、検証を依頼している有識者とはどなたなのか、有識者の方の専門分野についてもお答え下さい。
環境施設整備室長:検証については災害リスクやそれに対する本市の、十分に対策を講じることで事業を進めることに問題はないという考えが適切なものなのか、何か課題があるのか評価してもらうことである。
その検証を依頼している有識者の専門分野として、津波工学、社会基盤・土木建築防災といった防災工学、地盤防災や地盤の支持力等に関する地盤工学、基礎工学、地盤工学、リスクマネジメント、地域防災学、沿岸域工学など様々な分野があり、多面的な視点から検証を依頼しています。
加戸:方針の検討範囲に現候補地では進めない、という選択肢は入っているのか。また、入っている場合、その選択はどんな検証結果だと選択する想定なのかお答え下さい。
環境施設整備室長:現在、災害リスクについて十分な対策を講じることで、マリンピア沖洲での整備を進めることができると考えており、別の場所での整備については考えていない。評価を受けて、本市としてどういう方針で整備を進めていくかということについて考えていきたい。
加戸:マリンピア沖洲に一番近い住宅地である北沖洲4丁目では平屋の8割の方がマリンピア沖洲でのゴミ処理施設建設に反対署名をされている地域であり、丁寧な合意形成が必要である地域です。今回の検証の中に、その署名はどのように反映されているのか、今後の計画への反映方法も併せてお答え下さい。
環境施設整備室長:津波に対する不安や施設が損壊したら大変なことになるのではないかという意見は聞いております。それらについてどのようにそうしたリスクを少なくするかということについては、検証における災害リスクへの対策と重なる部分です。今後については、現在依頼している検証結果を受けて地域の意見も伺いながら整備を進めていく必要があると考えております。
加戸:飯谷町での計画の際は、平成28年12月から令和3年7月までに合計61回、延べ1965名の方に説明会を実施しています。令和6年3月議会の本会議質問のご答弁の中で、環境影響評価の実施項目や方法の案を定める方法書を作成する際に沖洲地区において説明会を開催する予定とのご答弁がありました。市として最終的な候補地を決定する前に、沖洲エリアでもしっかりと説明会を実施しないと住民の方々の不安は高まるばかりで納得は得られないと思います。
早急に沖洲地区での説明会を実施していただく必要があると思いますが、お考えをお聞かせ下さい。
環境施設整備室長:現時点では、本市の事業に対する考え方をまとめたところであり、施設については以前から変更点が特になく、説明会を実施しても津波等の災害リスクに関する内容に終始してしまいます。そうしたことから3月議会では環境影響評価の方法書の作成の際には、施設概要がもう少し具体的に決まっていると考えられるため、改めて説明会を開催する予定であると答弁いたしました。施設概要がもう少し具体的に決まっていると考えられるため、改めて説明会を開催する予定であると答弁しております。必要に応じて説明会などの地域への対応は検討していきたいと考えております。
予算計上時に改めて提示したいと考えております。
加戸:その説明会はいつ頃を目途に実施する予定なのでしょうか。
環境施設整備室長:現時点では、環境影響評価の業務委託なども全く着手していないので、スケジュールについては予算計上時に改めて提示したいと思います。
加戸:住民の不安の声を受けての災害リスク検証であるので、早期に説明会を実施するよう要望しておきます。
広域整備について12月13日付徳島新聞で、徳島市がごみ処理施設の建設予定地であるマリンピア沖洲の災害リスクを検証しており、市議会での結果報告を受けて市に協議を申し入れたいとの北島町でのご答弁が報道されました。北島町の担当者の方に確認したところ、北島町では現在、ゴミ処理について単独整備、民間委託、広域連携と模索をされているとのことで、広域連携を一つの選択肢として徳島市と協議を行いたいとのことでした。
北島町との広域連携を今後どのように検討を進めていくのか、徳島市のお考えをお聞かせ下さい。
また、広域連携にした場合の建設スケジュールと予定候補地への影響をお答え下さい。
環境施設整備室長:北島町での議論については把握しているが、現在、申し入れがない状況で、新聞記事以上のことは分かりかねます。申し入れがあった場合には、まず北島町がどのような意向なのかしっかりと確認したいと考えております。
加戸:遠藤市長の選挙時の公約でゴミ処理施設の項目に、場所の正当性、現在計画しているマリンピア沖洲について市民から津波液状化など不安の声が上がっているため、検証して公表するとある。災害リスク検証については、公表するまでが公約であると思うが、公表のスケジュールやその方法について、教えて下さい。
環境施設整備室長:検証結果については、有識者から回答を受け次第、報告書をホームページ等で公表していきたいと考えております。
加戸:沖洲地区の住民からは多くの不安の声が上がっているので、ホームページだけでなく、対面も含めた丁寧な説明と合意形成に努めていただけるよう強く要望しておきます。
――――――――――――――以上、質疑より――――――――――――――――
今後、有識者の検証を経て徳島市としての方針が決定します。沖洲地区での根強い反対意見があることも踏まえ、十分な説明と対話を行うよう求めていきます。
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