3月、6月、9月、12月と年4回の議会が行われ、各閉会日に提出された事項について採決を取ります。
今日は6月議会で審議された36件の予算や条例のうち、大きなトラブルの起きているマイナンバーカード推進のためのマイナポイント事業費、西松建設の辞退がなされた危機管理センターを再度、公募プロポーザルで募集することを前提にした事業費、同じく公募プロポーザルで1番高値の事業体が落札した上下水道局庁舎の資材高騰分の費用の3件について反対しました。
わたなべ議員の反対討論です。
ーーーーーーー(反対討論)ーーーーーーーーーー
日本共産党徳島市議団の渡辺亜由美です。
市議団を代表して、議案第50号および議案第52号、53号について反対討論を行います。
まず、議案第50号「令和5年度 一般会計補正予算(第2号)」ですが、この予算は、私たち日本共産党市議団が選挙公約に掲げていました、子どもの医療費を18歳まで無償化にする予算や、物価高騰対策支援事業費などが含まれます。長年求めてきた予算などには賛成ですが、この議案第50号に含まれる、マイナポイント事業費と庁舎災害対応機能強化事業費には賛成できません。一括して採決されるため、議案第50号「令和5年度 一般会計補正予算(第2号)」には反対します。理由を述べます。
まず、マイナポイント事業費は、国がマイナンバーカードへのポイント付与の期間を9月末まで延期したことによる、窓口での受付業務などの予算1,291万2,000円です。マイナンバーカードは、命や健康、個人情報などが脅かされる恐れのある重大なトラブルが相次いでいます。別人の医療情報が誤って登録されたり、他人の年金情報が閲覧できたり、徳島市でもコンビニ交付で、別人の証明書が発行されるトラブルが起きました。全国電話世論調査では、72%がマイナ保険証に反対という結果も出ています。国はトラブルが相次ぐマイナンバーカードを中止しないどころか、さらに税金を投入し、ポイントで釣って、カードの取得と紐付けを進めようとしています。このようなポイント付与の期間延長に関する予算には反対します。
また、庁舎災害対応機能強化事業費についてですが、これは市役所敷地内に新築する危機管理センターの実施設計技術協力業務などの申請に必要な予算837万6,000円です。公募型プロポーザルで選定されていた業者が契約を辞退したことにより、今議会に追加提出予定の「工事委託契約の締結について」の議案が取り下げられました。選定されたといっても応募は1社しかなく、辞退した理由についても、業者は「実施要領に反する行為を確認した」というだけで具体的な理由は分からないということです。それにもかかわらず、同じ公募型プロポーザルで選定をやり直すことに疑問が残ります。同じ方式での再募集に関わる予算には反対します。
議案第52号は「令和5年度 徳島市水道事業会計補正予算(第1号)」、そして議案第53号は「令和5年度 徳島市公共下水道事業会計補正予算(第1号)」です。どちらも上下水道局庁舎の建設に関して、資材高騰などで建設費がかかるため、合わせて7000万円の補正予算を組むというものです。この計画は、市役所横に建設予定だった上下水道局庁舎を、納得のいく十分な説明もなく、突然、南前川へ移転を決めたものです。しかも、公募型プロポーザルの契約で、最も高い値で契約したものをさらに、予算を上乗せする。資材高騰などもあるといいますが、この7000万円の補正予算を認めるわけにはいきません。議案第52号、53号には反対です。
最後に、請願第3号 「物価高騰に見合う生活保護基準の引き上げを求める」意見書を国へ送付することを求める請願 についてですが、不採択という委員長報告に反対し、採択を求める立場で討論します。41年ぶりの物価高騰は、すべての国民を苦しめています。特に本年は4月の時点で2万品目を超える食料品が値上げされるなど、昨年を上回るペースで物価高騰が続いています。さらに長期化すると見られています。厚生労働省は、2023年の生活保護費を据え置き、公的年金支給額を低い伸びに抑えたため、実質的な引き下げとなりました。徳島市でも70代の独り暮らしで住宅扶助を除き7万円弱の生活保護費を受取っておられる方から、食料・水道・ガス・水光熱費と、何もかもが1割増しの生活実感で、以前は1日1,500円ほどだった食費が1,000円使えるか使えないかの生活になり、ぎりぎりの暮らしで本当に大変という声が寄せられています。生活保護費引き下げの取り消しを求めた裁判では、大阪、熊本、東京、横浜、宮崎、青森、和歌山、埼玉、奈良、静岡などの地方裁判所で原告の訴えが認められています。国は判決に従い、直ちに保護費を2012年の引き下げ前に戻すべきです。生活保護基準は、さまざまな制度の土台になっているため、その基準は生活保護を利用していない多くの国民にも多大な影響を及ぼします。国民生活全般を支えるためにも、物価高騰に見合う生活保護基準の引き上げを国に求めることが重要であると考えます。したがいまして、この請願は不採択ではなく、ぜひ採択していただくよう求めます。
以上、理由を述べました。議員の皆様には、ご賛同をお願いしまして反対討論を終わります。
ーーーーー(反対討論 終了)ーーーーーーーー
このあと、自民党市民の会の石部議員も反対討論に立たれ、議案50号「令和5年度 一般会計補正予算(第2号)」については記名投票を行いました。白と青の自分の名前の書いた札が配布され、賛成の場合は白票、反対の場合は青票を投票箱に入れます。
記名投票の結果です。(敬称略で失礼いたします。)
青票(反対)山本・長田・小野・石部・増田・多田・古田・船越・渡邊・加戸
白票(賛成)須見・美馬・岡・井上・大西・齋藤・佐々木・黒田・春田・武知・森本・土井・明石・黒下・岸本・藤田・本田・梯
上下水道局庁舎の追加予算についても同じく、反対10名、賛成18名の賛成者多数で採択されました。
物価高騰に見合う生活保護基準の引き上げを求める意見書は文教厚生委員会で一度、賛成少数で不採択となり、再度議会で採択がありましたが、不採択のままでした。切実なお声を聞いてきただけに大変残念な結果です。
今後も皆さんのお声をしっかりとお届けできるよう、学びを深めつつ取り組みます。
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