議案に対しての賛成討論は明石議員、森本議員が行い、反対討論はわたなべ議員、小野議員、石部議員、長田議員が行いました。議会中の内藤市長の不出馬表明に賛成・反対どちらの立場の議員からも「無責任」「議会に混乱をもたらした」などと批判の声が噴出しましたが、内藤市長からその声に応えることはありませんでした。
反対討論では過去最大規模の予算に対し、義務的経費に留めるべきとの意見が相次ぎましたが、行政の継続性を求める賛成討論が行われ、賛成多数で可決しました。
小中学校トイレ洋式化事業の公募プロポーザル方式による工事委託契約については、高額の随意契約となっているとの指摘を行い、新市長のもとでの見直しを求め、記名投票を行いましたが、結果は11対16(2名欠席)で賛成多数でした。
青票(反対):石部、長田、小野、多田、平岡、船越、古田、増田、山本、わたなべ、加戸
白票(賛成):明石、大西、岡、梯、岸本、黒下、黒田、齋藤、佐々木、須見、土井、春田、藤田、本田、美馬、森本
(敬称略で失礼致します)
以下、わたなべ議員の反対討論を掲載します。
【反対討論】--------------------------------------------------
日本共産党徳島市議団の渡辺亜由美です。
今議会に提案されました令和6年度の当初予算は、一般会計が前年度と比べて40億6,000万円、率にして3.8%増の1,117億7,000万円という過去最大の予算となっています。ところが、提案した市長が、審査の途中で市長選挙への出馬をやめると表明しました。放り出された予算の審査などできるでしょうか。あまりにも無責任です。執行権がない内藤市長が組む予算であれば、誰が市長であっても必要な義務的経費だけにするべきではないでしょうか。
それでは市議団を代表して、主な予算について反対理由を述べます。
まず、【議案第1号】令和6年度徳島市一般会計予算のうち、市長等特別職給与費6,711万6,000円には、「市長給与50%カット」の公約を破り、全額を受け取っている内藤市長の給与が含まれますので反対です。
庁舎災害対応機能強化事業費16億29万6,000円および庁舎改修事業として借り入れる地方債16億20万円、債務負担行為の令和7年度分の庁舎災害対応機能強化事業2,869万4,000円は、危機管理センターの新築工事を進める予算です。業者選定を行った公募プロポーザルでは応募が1者しかなく、電気・機械工事の免許をもたない業者が選定されました。選定方法も安全面も疑問が残る事業を進める予算にはこれまで同様反対です。
個人番号カード交付事業費1億6,312万5,000円はマイナンバーカードに関わる予算ですので、これまで同様反対です。
一般廃棄物中間処理施設整備推進事業費8,661万1,000円は、ごみ処理施設の単独整備を前提とした予算です。この予算を提案した内藤市長は出馬をやめ、他の候補者2名はどちらも広域整備を公約にしています。見直しが必要となる事業の予算は認められません。
なお、「環境影響評価及び基本設計策定業務」に係る公募型プロポーザルが実施され、3月下旬に契約を締結する予定で現在進められています。単独整備を前提とした事業者選定であり、今すぐ中止するよう求めます。
海水浴場開設費4,095万3,000円は、昨年度、合法大麻の販売に関する問題やキッチンカー運行に関する点など、不可解なことがありますので反対です。
阿波おどり運営費補助2,000万円を一般会計から繰り入れる予算には反対です。阿波おどりのためにと、いただいた約4,000万円のふるさと納税があります。これを阿波おどりに使うべきです。
観光キャンペーン実施費1,070万4,000円は、昨年に比べると5.9倍です。これは、関西万博に向けての観光キャンペーンとして、阿波おどり連などを派遣する予算です。能登半島地震の復興が急がれる中、カジノのための関西万博よりも復興支援を求める立場で反対します。公平公正な使い方についても不透明ですので反対です。
また、ホテル、マンション中心で、市民の納得が得られていない新町西地区市街地再開発事業費5億4,733万3,000円、およびこの事業と一体に進めるひょうたん島川の駅ネットワーク推進事業費220万6,000円には反対です。
保育士IJU等就労支援事業費600万円は、達成率が約2割にとどまったUIJターン保育士応援事業の看板を変えた事業であり、効果のないことが明らかな事業への予算には反対です。
小中学校トイレ洋式化の総事業費11億1,830万円ですが、小中学校のトイレ環境の改善事業自体は、子どもたちや保護者から待ち望まれている事業であり、この間スピードアップされたことは歓迎します。
しかし、議案第37号、38号、39号の「工事請負契約の締結について」の議案を見ると、公募プロポーザル方式で行われた事業者選定では、上限提案価格に対し99%~100%の落札率となっており、ABC区分すべてが1者だけの応募という、結果として高額の随意契約となっています。本事業は数年かけて行う、規模の大きな徳島市の重要事業です。現在は仮契約段階ですが、議案の可決後には自動的に本契約に移るため、新市長就任後に事業の妥当性が担保できているのかを検証してから実行すべきです。よって、この議案は認められません。
次に【議案第7号】令和6年度徳島市後期高齢者医療事業特別会計予算は、令和6年度より年金収入211万円相当以上の方は所得割0.08%増、均等割267円増、賦課限度額7万~14万円ほど上がる予算で、出産育児一時金への支援も盛り込まれています。
一定の配慮はあるものの、全体として実質的な増税です。本来は行政の責任で行うべき子育て世代への支援を後期高齢者に転嫁させるもので容認できません。
【議案第8号】令和6年度徳島市職員給与等支払特別会計は、先に述べました公約違反の内藤市長の給与が含まれているため反対です。
【議案第11号】令和6年度徳島市水道事業会計予算は、原水及び浄水費の中で、第十浄水場等の業務を民間委託する予算が含まれています。今よりもさらに、民間委託する方向です。「命の水」を守る仕事は、委託ではなく市職員が責任をもって行うべきですので反対です。
【議案第15号】令和5年度徳島市一般会計補正予算には、マイナンバーカードに関連する、住民記録システム等改修費1,390万円が含まれます。また、繰越明許費補正には、この住民記録システム等改修事業と、同じくマイナンバーカードに関する附票システム改修事業1,674万円、危機管理センター新築工事に関する庁舎災害対応機能強化事業1億2,184万7,000円、新町西地区市街地再開発事業27億6,576万円、一般廃棄物中間処理施設整備推進事業7,667万円が含まれているので反対です。
以上、主な予算について反対理由を述べました。
大規模な予算を提案しておきながら、それを審査する議会の途中で、内藤市長は、提案した予算を放り出し、出馬をやめると表明しました。
義務的経費以外は新しい市長のもとで再検証するべきではないでしょうか。
議員の皆さまの良識ある判断をお願いしまして、私の反対討論を終わります。
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